米国株中心に投資を始めたけれど、暴落になったらどうしよう。
リーマンショック級の値下がりになったら、精神的に耐えられないかも・・・
暴落時でも下げ幅の少ない投資商品はないのかな?
ローリスク・ローリターンの商品もリスクヘッジとして保有したいな。
こんにちは、ロバート・カワサキです。
今回は、ローリスク・ローリターンだけど安定した投資商品である債券ETFについて解説します。
対象商品は、米国全体の債券に投資できる債券ETF、AGGとBNDになります。
株式メインで投資をしている人や、ローリスク・ローリターンな投資商品を探している人は、参考にしてみてください。
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こんな人に読んでもらいたい
- 株価下落のリスクを他の投資商品で吸収したい人
- ローリスク・ローリターンで確実に資産を増やしたい人
- 米国全体の債券に幅広く投資をしたい人
- 毎月分配金が欲しい人
AGGとBNDどっちを買ったらいいの
結論としては、AGG・BNDどちらを購入しても大差はありません。
運用会社・運用期間・純資産など多少の違いはありますが、大差はありません。どちらも格付けが高く、発行体がアメリカ政府機関の割合が多く、安心して購入できます。
米国債券ETFのメリット
- 個別に債券を購入する手間を省くことができる
- 純資産総額が多い
- 地域、発行体、格付けなどの様々な債券に分散投資ができる
- 通常の債券は満期があるが、債券ETFには満期が無い
- 下落相場でも安定している
米国債券ETFのデメリット
- 日本から米国債券ETFを購入していると、為替リスクを受ける
- 直近※ではアメリカのFRBが利上げ傾向のため、米国債券価格が下がる見通し
- 株式に比べてリスクは低い代わりに、大きなリターンは狙えない。
※2022年2月現在
ところで、債券って何?
米国債券は比較的安定した投資商品なのはイメージできるけど、そももそも「債券」って何?
では、債券について概要をさらっと解説してみましょう。
債券は、国や企業などの発行体が、投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。債券には満期が定められており、満期となる償還日には、額面金額が投資家に払い戻されます。投資家は、発行体に対してお金を貸す代わりに利子をもらう、というイメージです。
岡三証券WEBサイトより引用
文章で説明されても、よくわからないよ!!
債券を図で説明するとこんな感じです。
債券のポイントは下記2点です。
①利率が決まっていて、利息を定期的に受け取ることができる
②満期日が決まっていて、満期日に元本が戻ってくる
債券の種類としては大きくは、下記3種類です。
- 国債・・・国が発行
- 社債・・・企業が発行
- 地方債・・・地方自治体が発行
- 金融債・・・銀行が発行
債券と金利の関連性
債券と金利には一定の関連性があるので、ぜひ覚えておきましょう。
債券は市場の金利の上下により変動します。
金利が上がると債券は下がり、金利が下がると債券は上がります。
図にするとこんな感じです。
例えば、国債(債券)の利子が3%で、銀行預金の金利が5%とします。
国債(債券)を持っている人は、銀行に預金をした方が高い金利が付くので、
債券を手放して銀行に預金します。
結果として、債券の価格が下がります。
逆に国債(債券)の利子が5%で、銀行の利子が3%の場合、
銀行に預金している人は、預金を取り崩して国債(債券)を買った方が得をします。
結果として国債(債券)の価格が上昇します。
債券の信用格付け
債券の格付けは、信用リスクを判断する上での重要な指標です。
発行元の国がデフォルトになったり、企業が倒産すると、約束通りに債券の元本や利息が支払われなくなるので注意が必要です。
信用格付けのランクは下記の通りです。
格付けの高い債券ほど、信用リスクが低く利回りは低くなります。
(ローリスク・ローリターン)
一方、格付けの低い債券は利回りは高くなりますが、信用リスクは高くなります。
(ハイリスク・ハイリターン)
債券ETFを購入する際は、格付けの低い投機的な商品は避けましょう。
AGG・BND概要
まずは、AGGとBNDの概要です。
AGGの正式名称は、iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF。
BNDの正式名称は、バンガード・米国トータル債券市場ETFです。
どちらも米国債券ETFに分類されます。
AGG概要
BND概要
AGG・BNDとも純資産は約10兆円とトップレベルです。債券の信用格付けもAAAが7割となっており、非常に堅い債券ETFであることは間違いありません。
運用は世界有数の運用会社である、ブラックロックとバンガードです。
手数料である管理報酬は、AGG・BNDとも0.04%と格安になっています。
個別に債券を購入するよりも手間が省ける上に、この手数料の安さは魅力です。
AGG・BNDの信用格付け
次に、債券の重要ポイントである信用格付けについて確認しましょう。
AGG信用格付け
BND信用格付け
AGG・BNDともレベル最高のAAAが約7割となっています、投資適格基準がBBB以上になるので、投資リスクはかなり低い債券ETFです。
AGG・BNDの発行体
次にAGGとBNDの発行体について見てみましょう。
AGG発行体別組入れ比率
BND発行体別組入れ比率
発行体については、AGG・BNDとも大きな違いはありません。
債券の約4割はアメリカの財務省が発行元となっています。
アメリカ財務省以外にも、資本財・サービス、金融機関などにも分散されています。
AGG・BNDの年利リターン
次に、AGGとBNDの年次別リターン※を見てみましょう。
※2022年1月31日時点の基準価格(外貨ベース)
参考として、S&P500と連動している米国ETFのSPYとも比較してみました。
AGG・BNDは1年で見るとマイナスですが、短期で見ると変動要素が多いので、10年で見てみましょう。
10年のリターンは、AGG・BNDとも約2.5%と同程度です。
一方、S&P500と連動しているSPYは、10年のリターンが15.3%と約6倍です。
この数字だけ見ると、AGG・BNDとも魅力の無い投資対象と思いがちです。
はたしてそうでしょうか?
リーマンショック時の下落率
冒頭でAGG・BNDは下落相場でも安定していると伝えましたが、リーマンショックの時はどれくらい下落したのか、見てみましょう。
このチャートは、2010年から2020年までのチャートになります。
ちょっと見ずらいですが、赤いチャートがAGG・BNDです。
(動きがほぼ同じなので、2つのチャートが重なっています)
黄色いチャートが、S&P500です。
リーマンショックが起こったのが2008年9月なので、この時点を確認しましょう。
この時は、S&P500の下落率が、48.23%なのに対し、AGGが4.3%でした。
AGGやBNDは年利リターンこそ2.5%程度と少ない代わりに、暴落時でも4.3%程度の下落で持ちこたえています。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうござます。
最後に、AGG・BNDのまとめです。
- AGG・BNDは米国全体の債券に投資できる債券ETF
- リーマンショック級の暴落時でも下落幅が少ない
- ローリスク・ローリターンで運用したい人には向いている商品
- 発行体は米国財務省が中心のため、格付けが非常に高い
参考にしてもらえると幸いです。
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